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Tom Oliver

人間失格 太宰治人間失格 太宰治

人間失格 太宰治

日本人なら誰でも知ってる小説だと聞いて読もうと思った一冊。(読んだ後に友達に確認したらそれは大げさだったらしい。笑)
内容はとても暗く、絶望感がすごく伝わってくる。
落ち込んでる時に読ない方がいいと注意されていたけど、自分は落ち込んでいる時に読んでも大丈夫だったかもしれない。
描写が抽象的で「何が起きた?具体的に言ってくれ!」みたいなところが多かったけど、文学って言うのはそんなもんだろう。
主人公の葉蔵は変わりたくてもアル中から脱することができなくて、最後の方にお酒をやめたけど結局薬物依存症に移っただけだった。
現在はインターネット依存症、スマホ依存等が広がる一方、少なくとも誰もが一人ぐらい依存症を持ってる知り合いがいるんじゃないかなって思う。
自分だってインターネット依存症だもん。笑。
主人公の葉蔵はいつも周りに人がいても素でいられなかったから孤独だったと思う。
私達がLINEで友達とやり取りしていても感じる孤独と似てると思う。

心に響いた箇所

  • 女は死んだように深く眠る、女は眠るために生きてるのではないかしら。
  • 自分は道化を演じ、男はさすがにいつまでもゲラゲラ笑ってもいませんし、それに自分も男の人に対し、調子に乗ってあまりお道化を演じすぎると失敗すると言う事を知っていましたので、必ず適当のところで切り上げるように心掛けていましたが、女は適度という事を知らず、いつまでもいつまでも、自分にお道化を要求し、自分はその限りないアンコールに応じて、へとへとになるのでした。
  • 自分は、女があんなに急に泣き出したりした場合、何か甘い物を手渡してやると、それを食べて機嫌を直すという事だけは、幼い時から、自分の経験によって知っていました。
  • 俗にいうチャッカリ性でした。田舎者の自分が、愕然と眼を見張ったくらいの、冷たく、ずるいエゴイズムでした。自分のように、ただ、とめどなく流れるたちの男では 無かったのです。
  • 「モチよ」

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